第6章 Ohno.
『智、少しは愛里ちゃんと
仲良くなさい!』
「やだよ。なんで仲良くなんか。」
『智!いい加減にしなさいっ!!』
「いいよ、お母さん」
なんで。
「智だって、受け入れ難いんだよ」
『だとしても、やりすぎなのよ』
なんで。
「私が"代わりなんて"なれっこない。」
なんでだよ。
そうゆうとこ、
ほんっとムカつく。
代わり?
姉ちゃんじゃなくたってなれないよ
たった一人の、大好きだった姉ちゃん
「…その話を俺の前でするな。
デリカシーっつうもん、ねえのかよ!」
「…っ、」
「だから嫌いなんだ。お前なんか。」
いくつかの出会いがあって、
同じ数だけ別れはあって。
もしそれが、運命的に決められているなら
姉ちゃん、あなたとの別れは
決められていた運命なんだろうか。
「…俺っ……」
あの日、居なくなった姉ちゃん。
笑い続けることに意味はなかった。
目の前で笑いながら泣く姉ちゃんの姿に、
なぜだか俺は罪悪感ばかり感じていたんだ。