第6章 Ohno.
「智ー、そろそろ片付けてー」
俺の姉ちゃんは施設から来た、
血の繋がらない家族。
「…んー。」
姉ちゃんはいつも笑ってて、
明るく振る舞うよそに行けば
気に入られるような性格。
でも俺にとっちゃ気に食わないわけで。
別に姉ちゃんなんて要らなかったし、
なんなら3人だって良かった。
「もお。手伝うよ」
「余計なお世話だっ!!触んな」
余所余所しくて、
俺は姉ちゃんがずーっと嫌いだった。
まるで友達の子どもを預かってる感覚。
「ご、ごめんってば智…」
「うぜえんだよ。」
姉ちゃんなんて泣いちゃえばいい。
怒っちゃえばいい。
そうして壊れてしまえばいいんだ。
張り付けられたような笑顔なんか、
見たくもない。