第6章 Ohno.
はぁ....。
智くんの鈍感は恋愛だけに限らない
自分の感情にも気持ちにも鈍くって、
ときどき突然、泣き出したり怒ったり。
気持ちがモヤモヤと溜まって
爆発しちゃうんだ、智くん
「うめぇ、こんなの食えるとか贅沢」
「....ホワイトデーお返ししなくちゃね」
「ほわいとでー?」
キョトンとする智くん。
まさかホワイトデーも知らないの!?
いや、きっと違う!
恐らくホワイトデーを理解してないだけ!
「さ、智くん...、ホワイトデー知らないの?」
「知ってるけど返さないとダメなの?
えぇぇ、めんどくさいなぁ....」
と食べるのをやめる智くん。
めんどくさいなぁって、
返すのが礼儀なんですから
「そーいえば愛里からの
"バレンタインチョコ"という名の告白はないの?」
ニコッと笑いながらそう聞く智くん。