第6章 Ohno.
智くんって鈍感なんです、
これはまじで。
なんていうか...、
鈍感、なんです。
「みんなすっげー優しいの。
こんなにチョコくれんだよ、しかもタダ!」
じゃーん、と効果音付きで
見せたのはたくさんのチョコレート。
「智くん、それたぶん。
"バレンタインチョコ"という名の告白ですよ」
智くんって、ホントに気づいてない!
自分がモテることも。
告白されたんだってことも。
「コクハク?
へーえ、物好きだねぇ~」
とバリバリとチョコを包んでた
包装紙を剥がす。
生チョコかよ、洒落てんな!
「うっまそ!
愛里も食えよ、ほら!」
だから、
それは本命チョコなんだって
言ってんじゃん!!