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愛の囁きを。

第5章 Aiba.






叶汰を幼稚園へ送る途中。



ふと叶汰が立ち止まったので、
何かと視線の先を辿る。




そこにはお父さんと息子で
楽しそうに手を繋ぎ歩く姿だった。



叶汰は一度も雅紀と幼稚園へ
送り迎えをしてもらったことがない。

もちろん当たり前だけど



叶汰にとっては羨ましいことなのかな?




「叶汰?」



『おとーしゃんは、』




叶汰は泣きそうな顔で見上げ、



『…おとーしゃんはよーちえん来れないの?』




ぎゅ、と握り締める。



「ママじゃイヤなの?」



『…うんん。ちがう。
 よーちえんのお友達言ってた
 お休みの日はおとーしゃんとあそぶって』



いいなあ、と小さく呟く叶汰。



そうだよね、
芸能人のパパだと当たり前のことが
当たり前じゃなくなるもんね



アイドル、芸能人、
なんてまだ分からないから…。





「幼稚園、遅れるよ。行こ?
 帰りにアイス買って帰ろうね」



『あいっ。』






嬉しそうに歩き始めた叶汰の手を
無意識に握り締めていた。


















 
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