第5章 Aiba.
相葉くんは
人混みかき分け、パンを取る。
な、慣れてるなあ。
「愛里ちゃんも早く取らなきゃ
無くなっちゃうよ〜! ほら!!」
と二つほどのパンを放り投げる。
見るとそれは私の好きなパン
たまに購買で買ったりするんだけど...、
なんで知ってるんだろ?
偶々、なのかな....
「こ、これ...」
「好きでしょ? あげる!」
なんか嬉しかった。
好きなパンを、渡されただけなのに。
こんなに嬉しいなんて....!!
「なんで好きなパン知ってるの?」
それはなんでもない質問だった。
本当に、何気なくした質問だったのに。
「あ....や...///」
彼は顔を真っ赤にした。