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愛の囁きを。

第4章 Matsumoto.





看護師さんが来て体調などを確認し、
しばらく安静と言うことだった。


「俺、なんで入院してんの?」



そう聞くと相葉さんや翔さんの顔が
強ばったのが分かる。

聞くべきではなかったのだろうか。


ギュッと口を閉ざす。


「...事故、なんだよ
 工事現場を通りかかった松潤の頭に
 鉄の棒が落ちてきたんだ
 他にも通行人も居たんだけどさ...
 みんな重傷なんだって....」


気まずそうにそう言う相葉さん。
事故、か。

そう言えばそうだったような



しかし皆の顔は強ばったまま


「松潤、覚えて....ないの?」


リーダーがそう聞くから、
忘れたものを思い出してみる

しかし分からない


思い出そうとすると頭が痛くて、
まるで思い出したくないとでも言うように


「...何か、あった?」


「亡くなったんだよ!!覚えてねぇのかよ!!!」



二ノが怒鳴りつけるから、
俺もびっくりする。

誰か亡くなったのか....?!


潤む二ノの目から涙がこぼれ落ちる


「...二ノ、やめなよ。
 松潤もきっとショックで忘れてるんだ」


「見てたろ??」


二人が二ノを宥めてる。
申し訳なくてシュンとなる自分


何も分からない。
誰を忘れてるのかも


友達の顔も名前も思い出も、
家族の顔も名前も思い出も、


全て覚えてるはずなのに





はずなのに、




なんでこんなにも
悲しい気持ちなるんだろう


なんで、泣きそうになるのだろう


















 
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