第4章 Matsumoto.
「ま、つもとくんに会って...
嬉しいだけだからっ!!!」
「....そっか、俺も会えて嬉しい。」
その時の俺は、
すっげぇ嫌な予感がしたんだ。
小さな小さな愛里を
ギュッと抱きしめたくなるような。
そんな思いがした。
それから数日、
学校にだいぶ慣れてきた俺だが
気づいたことがあった。
『平川先輩って知ってる?』
『へ、誰それ?』
『その先輩さ、いつも一人らしくて。
しかも無表情、怖くね?』
『うっそ。やっば、怖すぎ』
愛里は
いつも何かしらの噂があって
見かけたときはいつも1人だった。
特にイジメられてるわけじゃない。
話しかけたら笑顔で話してくれるし、
帰ろうといえば帰ってくれる。
だけど、
彼女の姿はいつもボロボロだった。