第3章 Sakurai.
『翔くんおはよう!』
それは彼女の朝の挨拶から始まる。
太陽が空高く昇り、
朝だと告げる陽を照らす。
『おはよう、愛里』
カーテン越しでも陽が眩しくて、
思わず目を細めてしまう。
どうやら今日は晴天らしい。
『映画、観に行こ!! ね?早くーっ!!!』
『まだ映画館開いてないよ~っ!』
今日はデート日和。
彼女の愛里と付き合い初めてから
もう2年は過ぎようとしていた。
結婚なんかも考え始めていて。
二人で居る時間が何より大事だと、
そう実感していた。
『ここのアイス、すっごい美味しいから!』
『ホント??』
愛里と居られたら、
もうそれだけで幸せだった。