第3章 Sakurai.
初めてのことばかりだ。
雑貨屋さんも、カフェも、
ゲームセンターも。
「....楽しい?」
「た、のしい...です....」
そう言えば櫻井さん、って
何歳なんだろう??
見る限りでは私より一個上な感じ。
『あはははっ、ウケるー!』
『もーマジ最高!』
『ねえ、見てよ!平川さん居るんだけど』
なんで私の名前を知ってるのか、
私は彼女達を知らない
どうやら学校が同じの子達らしい
私を発見するなり
歩み寄って来た。
「...知り合い?」
「....っ...」
彼女達は、
私が学校へ行ってないことを知ってる。
だからきっと、からかいに来たんだ。
『ねー、あんた学校サボってなにやってんの』
『うっそ。まさか男と遊んでる?』
『うっわー、キモいんだけどー!!』
きゃはははっ、と大声で笑う彼女達
これだから外へは出たくないんだ...。
違うって、否定することすら怖くて
出来ない私...。
『あんたの母親、男とフラフラしてんでしょ』
『元女優なのに落ちたもんだよねー』
『顔だけ良けりゃ金もらえるんだもんねー
羨ましーい!』
違う。
お母さんはそんなんじゃない
私の事はどうでもいいと言ってるけど、
顔だけ良い、なんて。
そんなことないよ!!
「ちょっと言い過ぎなんじゃないの?
それに人をそうやって見下してさ、
自分達の品格下げてるの分からないのかな」
黙っていた櫻井さんが、
私の前へ立った。