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【A3!】恋する劇団【裏】

第1章 ◆夢  碓氷真澄


「……それで怖くなっちゃったの?」

「……」


コホン、と一つ咳払いをいれて、改めて聞かれた。

素直に頷いてしまえば、更に子供扱いされる気がして、黙ったまま、監督の肩に寄りかかる。

ベットの縁に座ったまま、起き上がった状態の監督に寄りかかったので、まるで前から抱きついている様な形になった。

監督は、そのまま俺の後ろに手を回し、まるで母親が子供あやすように、背中をトン、トンと叩きながら話し始めた。


「………私は、真澄くんのことが好きだよ」

「……知ってる」

「ふふ、そっか。そうだよね。
…だからこそ、私は、この関係を大切にしたいとも思ってるの。

……私だってね?いい年した大人だから、やりたいことを我慢してるところはたくさんあるんだよ?

だって、私がもし選択を間違えてしまったら、私と真澄くんは引き離されるかもしれない。
引き離されずとも、白い目で見られるかもしれない。
心のない言葉を掛けられるかもしれない。

そうなって、辛い思いをしたくないし、させたくもない。
だから、真澄くんが高校卒業するまでは、シないって言ったの」

「…俺はそれでもいい。
俺には、アンタしかいらない」

「……それは、違うんじゃないかなぁ…」

「っ何で…!!」

「……真澄くんには、もっとこれから、沢山の出会いがある。
その中で、私よりも好きになれる人がきっと見つかるよ」


ショックだった。
あんなに好きだと伝えているのに、俺の気持ちを信じて貰えていないみたいで。

俺にはこの人しか居ないのに。その気持ちすらも無碍にされたみたいで。
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