第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
────…
「おい」
先程から花に対して不穏な視線を向けている2人には気付いていた。
俺が水月の肩を掴むと意外そうな顔を向けられる。
「誤解してたな…
…悪かったよ
あばずれだなんて言って
何か面白い術に掛かってるね、このお姉さん
──…結構エグいことするなぁサスケ
この術何?また写輪眼?ホント、便利だなぁ〜
でも見てよ、ほらこの子
────術に逆らってる
自分の旦那の名前聞いただけでこの反応だ」
「サスケがずっと好きだったって女が
こいつなんだろ、きっと!
──…火影の嫁なんて、何でそんな厄介な女…
う、うちだったら…そんな術なくても…っ」
花の額に玉のように汗が浮かんでいる。
虚な瞳に意思を宿して、強く唇を噛んでいた。
薄らとそこに血が滲み出す
(…幻術で掛けた色技じゃ、恐らく効果も弱いのだろう…)
確実に掛けた方がいいに決まっているその術を、俺は敢えて幻術の中で掛けた。
実際に花の身体を汚す事がどうしても出来なかったからだ。
言い訳を並べてみても、僅かに残る自分の良心と 恩人への罪悪感が自分を踏み止まらせたのだと自覚していた。
『…っ…
か…かしさ…っ…』
辛そうな花を見ていると胸が苦しくなる
(…きっと俺はこの先も…
お前を抱けはしないのだろう)
だが側に居て欲しい
せめて──…この術中にいる間だけでも…
(…俺の事を見つめてくれ)
花の肩を掴むと 2人がそこにいる事実も顧みず、俺は躊躇なくその唇を塞いだ。
呆気に取られる2人を前に「邪魔をするな」と一言だけ言葉を残し、また俺に一途な視線を向ける花の…その腕を掴んだ。
────…
サスケ君が強引に私をベッドに組み敷いて、甘いキスを降らせてくる。
使われていなかったマットは、身動ぐ度に埃を舞わせていた。
長く優しいそのキスは、時に情熱的に 私の内側を熱くするのに…何故かサスケ君は私にそれ以上を求めては来ない。
『…っ…ん…ふぁ
サスケ…っ…君…』
身体に触れてくれない彼に痺れを切らして、サスケ君の服に自分から、手を伸ばした。
だが何故かそれを制されてしまう。