第20章 追跡とアジトR18(3人視点)
────…
「サ、サクラちゃん…
流石にそれは言えねぇってばよ」
「…っ…で、でも…
報告…しない訳には…っ…」
「んな事言ったってよぉ…
…気まず過ぎだろ…っ
あいつ──…このまま里に戻れなくなっちまわねぇかよ?」
「…っ…そ、それは…」
木ノ葉病院付近での騒動報告の為、今俺の目の前にはナルトとサクラが待機している。
何やらコソコソ2人で言葉を交わし合い、双方顔を青くしていた。
その場に偶然居合わせた2人は、明らかに何かを見た筈なのだが…
(この様子…
一体、どうしちゃったんだろうね…)
俺は2人の様子を訝し気に見てから、真横にいるシカマルの報告に意識を戻した。
「被害は付近の建物が一棟のみ
幸いにも怪我人は出ていない様です。
だが騒動を起こした張本人の顔を見たものはおらず、付近はナルトの影分身だらけだった、とか…
ただ──…」
そこでシカマルが言葉を切るので、俺は顔を上げる。
「──…ただ?」
「その張本人は──…
サスケかと思われます
目撃者の証言からスサノオと思われる物体が発言していた…っていう報告があるんで──…
…恐らくその辺は、ナルトとサクラが詳しい事情を知ってるんじゃないすかね?
────こいつが影分身を引き連れそいつと対峙し追跡して行く姿は、大勢が見てる」
その声に2人が揃ってびくりと反応した
「サスケだと?!
そうなのか、ナルト」
落ち着かなく目を泳がせ顔を青くする2人を見れば…恐らくはそれが真相なのだろうと推測出来る。
だがスサノオを出すとは────穏やかじゃないな…
(これは…──サスケを庇っているのか?)
「それから、6代目…
────言いにくいんすけど…
その……
病院からの報告によれば…病室にいた筈の「はたけ花」────つまり…6代目の奥さんが騒動の後 部屋から忽然と姿を消しているそうです
確認を取りましたが…家にも戻っていません
…恐らくは…その…
──…サスケと一緒ではないかと…」
気遣わし気な言い方をするシカマルの腕を、俺はその瞬間 咄嗟に掴んでしまう。
「───…なんだって!!?」
「い!痛たたたっ!!!
ちょっ、おっ、落ち着いて下さい!!
カカシ先生っ!!!」