第17章 暴走する想い(サスケ視点)
「待たない、嫌なら今言え
無理強いはしない
──こんな抱かれ方、お前も不本意だろう」
その言葉に、サクラは堪らずに涙を零し始めた
その涙を見ても、衝動が治らない
───何も感じない。
逃げるなら逃げろ──…今ならまだ、見逃してやれる
「お、お願い…は…初めて…なの…
せ、せめて…
や さしく…して…欲しい…」
嗚咽をあげながらも、拒絶の言葉を吐く事はない
震える声で、自分に全てを捧げようとする コイツを前に──…俺は堪らず サクラから離れ、目の前の壁を力一杯殴っていた。
(なんで…コイツは
────ここまでして…っ)
「…くっそ──っ!!!!」
「あ…」
「サクラ…
────悪い…
俺は…どうかしていた…
頼むから…
────もう…帰ってくれ…」
サクラの戸惑った気配が伝わってくる
「…もし…
私とする事で、サスケ君の気持ちが、少しでも救われるなら…
…わ…私…っ…」
「──違うっ!!
…お前を抱いたら、俺は"友"としてのお前を失う…!
──…それは…──望んでない…っ
お前を…
…失いたくは、ないんだ…」
「サ…スケ君…っ」
暫くするとサクラが立ち上がり、おずおずと玄関へ向かう気配がする
(───酷く疲れた…
もう眠ってしまいたい…)
サクラが扉を閉める音を聞いてから、俺は床に身体を投げ出し そのまま目を瞑った。
(…何も考えたくない…何も…)
闇の中で、自分の中にある邪な考えがふと──浮かび上がってくる
それは、酷く甘美で──…だが残酷な閃きだった…
写輪眼によって写されたあの色の術が、蘇る…
花のイメージで作られた幻影…
出来る。
────俺なら…
コピーしたあの技を
…完全なものに
"確立"することが──…
…幻術になどせずに…
…花の本体そのものに…影響を与える事も、出来る…
効果など…1週間でも構わない…
例え、永遠に続かない事だとしても…
あのカカシを想う瞳に…
──── 一瞬でも…俺を写せるのなら…
…俺の"夢"が…叶う…なら…