第13章 守りたい想い(カカシ視点)
だがこのままベッドに流れ込む…
というわけにも行かず、俺は少し間を置いてからそっと唇を離した。
彼女を腕の中に閉じ込めながら
先程まで外でこの子への想いを抑える気がないと言っていた元教え子に想いを馳せる。
サスケは自信家で昔から…思い込みが強い。
囚われた想いに暴走──…しなきゃいいんだが…
「…あのさ
サスケにはあまり近づかないで…」
意識しないうちにそれは言葉になって口から出ていた。
『…え…?』
漠然としたものだが…不安が心を過ぎる。
「…あいつが何考えてるか、よく分からない
…ちょっと…心配で…」
ダメだ…
大人の余裕なんてものは…待てそうもない。
この子を信用している。
俺達は大丈夫だ…そう思うのに──…
…なのに何なんだ…この不安は。
サスケの俺に向けた目は暗かった。
嫌な予感がして、ならない。