第11章 影との遭遇R18
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床が綺麗に掃除され、洗濯された清潔な火影の装束を身につけて、やっとカカシさんは私の側に戻ってきた。
私は窓を開けて新鮮な空気に入れ替える。
すぐ清々しい空気が入ってくる。
(…ああ…結局いつもの如く…
カカシさんのペースに持って行かれてしまった…)
大きな溜息をつく。
…この人には一生叶わない気がする…
「終わりました、奥さん」
『…ありがとうございます』
「あ、あの…それで…
……もう、怒ってない?…」
私はカカシさんをまたジト目で見るが、諦めて直ぐ素直になる事にした。
『…怒ってません…
…端から…全部、受け止めるつもりでしたし…』
「花ちゃん…
ありがとう…
…ああ、でも…
君が拗ねたその顔…可愛い
…これからもたまに見せてね…」
耳元で囁かれ、そのまま耳輪に唇を押し付けられて また顔が熱くなる。
『…っ…』
…ダメだ、こりゃ…
もう要らぬ刺激は与えないでおこう。
その方が自身のためだということを、この時…密かに胸に刻むのだった。
『…サスケ君に事情を話さないと…
…とても…せ、説明…し辛いですが…』
顔を真っ赤にさせる私の頭を、いつものようにカカシさんの大きな手が撫でる。
「ん?
君にさせる訳ないでしょ、そんな話
…勿論俺がするから、大丈夫だよ
それに、今日はずっと
朝まで君に付いている事に決めた。
…あくまでも一つの可能性として話してみよう」
その時玄関のチャイムが鳴った。
「サスケの気配だ。行ってくるよ
…君はいい子で、ここで待っててね」