第1章 マイマイ、アリス学園へ
「さっきからいたわよ。あんたが棗くんのアリスを止めてたあたりから」
「さようですか……」
「あなたは?」
蛍は蜜柑と話したあと、マイマイのこと誰か尋ねます。
「あたしはマイマイ。君が蛍ちゃんね。さっき、鳴海先生に会ったとき、蛍ちゃんのこと聞いた。あの、あたし、ここから出たいな。なんて……」
蛍があまりにも美少女だったか、マイマイは後ろ頭に手を当てていました。
「せや! マイマイさん、学園の出口を知りたがってたな。なあ蛍、学園の出口ってどっちやったっけ?」
と、蜜柑が蛍に聞くと、蛍は発明品を背負っていたリュックから取り出します。
「待って」
蛍はコンパス型の発明品を出し、学園の出口がどの方向にあるのか調べていました。
「蛍ちゃん、学園の出口の方角、分かった?」
「はい、ここから北西ですね。マイマイさん、ここに来るまで、ナルと一緒でしたか?」
「え、ナルって?」
蛍に言われ、鳴海のことを思い出し、マイマイはびくっとなりながら問います。その問いに答えたのは蜜柑です。
「ナルは鳴海先生のこと。蛍、鳴海先生、どこおるん?」
蜜柑は片手をおでこにかざし、キョロキョロと辺りを見回します。