第1章 マイマイ、アリス学園へ
「ナルの反応は中等部にあるから、中等部ね」
蛍はもう一つ、まるで小さな探査機のような発明品を取り出し、そう言いました。
「ねえ、蛍ちゃん、どうして、あたしが鳴海先生と一緒だって分かったの? それと、どうして鳴海先生の居場所が分かるの?」
と、聞くマイマイです。
「それは、瞬間移動の発明品を使用したとき、使用した人のアリスに反応するからです。アリスを持っていない人のことも反応します」
蛍は発明品のレーダーをマイマイに見せながらそう答えていました。
「そうだったんだ」
「蛍の発明、すごいでしょう、マイマイさん」
「うん、すごい! あ、そうだ、あたし、鳴海先生から逃げていたんだった」
「どうして、ナルから?」
と、これは蛍です。隣で蜜柑も不思議そうな表情でマイマイを見ていました。
「あたし、鳴海先生からアリス学園の勧誘を断ってたの。でも、しつこくて……」
「ナルが勧誘、しつこいってことは、マイマイさんにアリスがあるってことなんじゃないでしょうか?」
「アリスなんてないよ」
「……分かりました、うちらがマイマイさんが学園の出口へ案内します」