第1章 マイマイ、アリス学園へ
黒髪の赤い瞳の少年は蜜柑の言うことを無視し、マイマイに詰問です。
「あんた、何者だ?」
「あたしはマイマイ。怪しいバスツアーでここに来てしまった、ただの女子高生よ。分かったら、火を消してくれないかな」
「……ふん」
まだマイマイのことを疑っていた黒髪の少年は、さらに炎のアリスの力を強くしようとしていました。
そこを蜜柑は、炎のアリスを発動させようとしていた棗の左腕を両手でつかみ、
「棗、やめて! この人はZやない!」
と、アリスを発動させます。蜜柑のアリスは無効化のアリスのため、マイマイの周りを囲っていた棗の炎が消えました。
「離せ、水玉パンツ」
棗は蜜柑の両手を振り払い、流架とどこかへ行ってしまいます。
「マイマイさん、すみません。あいつ、根は良い奴なんです。ここ最近、うちの学園、おかしな組織がZって言うんですけど、Zのせいでざわざわしていてな」
「棗くんはあんたのことを守ろうとしていたのね」
ここで黒髪の紫の瞳の美少女が突然、現れます。蜜柑は飛び上がり、
「わっ、蛍、おったなら、はよ声を掛けんかい」
と、声が裏返りました。