第1章 マイマイ、アリス学園へ
マイマイが蜜柑と掃き掃除をしていたときのことです。白いウサギがやってきました。
「蜜柑ちゃん、アリス学園ってウサギ飼ってるの。可愛い~」
マイマイは白いウサギをなでます。
「あれ、うさぎん」
と、蜜柑がつぶやいたあと、
「ウサギ、いた」
次に、白いウサギを追い掛けてきた金髪の水色の瞳の少年がやってきます。
「ルカぴょん!」
蜜柑は嬉しそうな表情で少年のことをそう呼んでいました。少年の方も嬉しそうに微笑します。
「ウサギが佐倉たちのところに行きたいって飛び出して行っちゃったんだ」
「せやったか~。うさぎ~ん」
蜜柑はウサギを抱っこし、頭をふさふさとなでていました。
「ところで佐倉、その人は?」
「マイマイさんや。マイマイさん、ルカぴょんです」
「乃木流架(のぎるか)です」
「よろしくね、流架くん」
「流架、離れろ」
マイマイが流架と握手をしようとすると、黒髪の赤い瞳の少年がアリスを使い、炎を出します。
「きゃ!」
マイマイの周りは火で囲まれてしまいました。
「棗!?」
「待て~、棗ぇ~、炎を消せ~」
蜜柑が炎のアリスを使う少年を止めます。