第1章 マイマイ、アリス学園へ
バスから降り、アリス学園の敷地内に入ってから、金髪の男性はマイマイに自己紹介をしました。
「僕の紹介が遅れてごめんね。アリス学園初等部教師の鳴海(なるみ)です。君は?」
「マイマイです」
「マイマイちゃんね。君は高校生くらいかな?」
「あ、はい、そうですね」
「わかった。見学場所はまず、高等部に行ってみよう」
「………」
マイマイは不安そうな表情で鳴海を見ます。
鳴海の方はポケットから瞬間移動出来るアイテムを出し、それを使用しました。そのアイテムにより、マイマイたちはアリス学園の高等部の校舎まで移動が出来ます。
「うん、蛍ちゃんの発明、便利♪」
「蛍ちゃん?」
「ああ、マイマイちゃん、蛍ちゃんは僕の生徒」
「そうでしたか。魔法のアイテムを発明出来るなんて、その子、ただ者じゃないですよね」
「そう、アリス学園にいる生徒たちは教師の僕も含めて特別な力が使えるんだ。特別な力のことを僕らは『アリス』と呼んでいる」
「アリス……」
「例えば、僕はフェロモンのアリスが使えて、今言った生徒の蛍ちゃんは発明のアリスが使える」