第1章 マイマイ、アリス学園へ
「ねえ、君、早く帰った方がい・い・よ」
「わ、そんなイケボで囁かれても、運転手さんが謎の気絶してしまって帰れなくて困っているんですけど」
「あれ、僕、特殊能力(アリス)使ってるけど、やっぱり効いてないみたいだ。まさか、あの子やあの人と関係しているか?」
「あの、どうかしたんですか?」
マイマイが尋ねると、男性は首を振ってにこっと笑い、
「第5回人生やり直しツアーの企画をしたのはね、実はアリス学園初等部の校長なんだ。あの方が何を考えてこんな企画したか分からないけど、君が気にすることじゃない。ところで君、アリス学園に来ない?」
「いえ、お金がありません」
「そこは大丈夫。アリス学園で過ごしているうちにお小遣いがもらえてそれで学費を払ってくれれば大丈夫だから」
「いえ、だから、アリス学園にあたし、入りません」
マイマイは男性に断り続けますが、男性は諦めません。
「じゃあ、見学だけでもいいから」
と、言い、マイマイの手をとりました。
「………」
マイマイは困った表情で男性に引っ張られていきます。