第1章 マイマイ、アリス学園へ
「アリス学園到着、アリス学園到着です」
運転手の声を聞き、バスの中がざわざわする中、マイマイは運転手のところへ行き、引き返すよう言いに行きました。
「運転手さん、第5回人生やり直しツアー、あたしの思っていたのとちがっているし、何より怪し過ぎます。お願いします、あたしたちをここから帰して下さい。バス、引き返して下さい。ちょっと、運転手さん、聞いていますか?」
と、マイマイが運転席をのぞいたところ、運転手は顔を真っ赤にして気絶していたのです。
「ちょっと運転手さん、顔真っ赤。飲酒運転ですか? でも、お酒臭いわけじゃないし……。あれ、周りのみんなも顔真っ赤にして寝てる!? ツアー前にお酒を飲み過ぎ!? でも、バスの中はお酒臭くないし……。じゃあ、どうして……」
マイマイがバスの座席横の通路をうろうろしながら言っていると、
「あれ、君には僕の特殊能力(アリス)が効いてないね」
と、運転席のところから男性の声がしました。男性は金髪のロング、左目の下に泣きぼくろ、白いワイシャツに黒の長ズボンを履いています。
「(わあ、イケメン……)」
マイマイは金髪のロングの男性を見て、頬を赤く染め、何度も瞬きしていました。