第2章 ②新門紅丸 妊娠ネタ
「噂は本当か!?」
『えーと、その、はい。本当です』
あのタレ目で気怠げな紅の目が未だかつて、戦闘以外でこんなに見開いているのを見たことがない。
『あの、ごめんなさい。言うのが遅れて、昨日産婆さんのところで聞いてきたの。まさかこんなに早く伝わるなんて思わなくて…』
事実だ。
本当に予想外だった。
もっと、違う形で伝えてたかった。
「…ここに」
そっと私のお腹の下の方を触ってきた。とても慈しみを込める触り方だ。こんな顔をする紅を見ていたら、無性に涙が流れてきた。
「お、おい、。どうしたんだ。紅がなにかしたのか!?」
「何もしちゃいねぇよ!おい、どうしたのんだ!?」
私が急に泣き始めたことで、二人はあたふたとしている。何だか、大の大人。しかも男性二人がこんな感じで、可笑しくなってしまって泣きながら笑ってしまった。
『ふふっ、ご、ごめんなさい。私って幸せ者だなって、嬉しくなって涙が出てきちゃっうし、何だか紅と紺炉さんの顔見てたら可愛くて笑いが…ふふっ』
妊娠中は、色んな事に敏感になるって言ってたけど本当だなぁ。普段は泣いたりしないのに…
私、これから大丈夫かな。
「今更聞くが、産んでくれるんだよな?」
『紅がいいなら、よろしくお願いします』
(明日からは、俺が側にいれない時には誰かつける)
(やめて下さい)
(紅は、過保護だな)