第2章 ②新門紅丸 妊娠ネタ
『…ん?』
私がこんな突拍子もない声を上げたのは言うまでもない。
「紅ちゃんが、とうとうちゃんと祝言なんだろ!」
「よかったじゃないか!」
以後省略。
ちょっと待ってほしい。
いや、付き合ってはいる。することもしてる。いつかは、一緒になりたいとは思ってる。しかし、今じゃないよ。
『…これは何の冗談でしょうか、紺炉さん』
後ろで私の様子を伺っていた中隊長である紺炉さん。
振り向き一気に間合いを詰めた。ジッと下から見上げた。
『一応、聞いてもいいですか?だ・れ・が、こんな噂を流したんですかね?』
「いや、違うぞ」
『本当に?』
じゃ、誰?
…あ。
『ごめん、紺炉さん。私かもしれない』
思い当たる節がある。でも、昨日だよ!
「いや、聞いた話によると…紅との子供が出来たとか…」
やっぱりだぁぁぁ!
『実は…』
事の次第を紺炉さんに話すことにした。
―月のモノが遅れていたこと
―体調不良が続いて眠気に悩まされていたこと
―肉の臭いに吐き気を催したこと
『色んな心当たりがあり過ぎて、一応産婆さんのところに聞きにいったら…』
「…これか」
これは、紅の耳に入るのは時間の問題だ。
「!!」
あー、遅かった。