第5章 或る爆弾
「うふ よろしくお願いしますわ」
「い 痛い、そこ痛いってば、ナオミごめん ごめんって!」
谷崎潤一郎 ーーー能力名【細雪】
その妹 ーーーナオミ
そこであるモノに気付く敦
「うふふ」
笑顔でソレを見せるナオミ
「ぼ 僕を試すだけに······こんな大掛かりな仕掛けを?」
腰を抜かす敦
「この位で驚いてちゃ身が保たないよ?」
ニコッとする太宰に敦は凄い勢いで後ずさった
「いやいや!こんな無茶で物騒な職場 僕 無理ですよ!」
そんな敦に太宰は顎に手を当て
「おや 君が無理と云うなら強制はできないね。」
その言葉に笑みが戻りそうになった敦
だが──
「となると 君が住んでる社員寮引き払わないと」
笑みきれず硬直する敦
「あと寮の食費と電話の払いもあるけど
······大丈夫?」
その言葉に涙を流す敦
(選択肢無いじゃないですかああああぁぁ)
心の叫び虚しく無事(?)入社した敦だった