第5章 洗礼
「ミシェル!」
「れ、ぐる……様……?」
大好きな、憧れの男性。
その彼、レグルに呼び起こされて目を開ける。
彼はいつもであれば携えていない剣を片手に、私を抱き起こす。
もう力が出ない。
散々触手によって犯され、中を穢され、寄生され……
ああ、そうだ、私は寝ている場合じゃない。
だるい身体に何とか鞭打ち、レグルの手に縋る。
「うん、分かってる……異端に種付けされたね?
今から中に取り付いた触手を掻き出すよ」
「おねがい、します……」
この前レグルが来てくれた時も……たしかレンの精液を掻き出してくれて。
こんな後処理ばかりを憧れの人に任せる羞恥と不甲斐なさに、私は涙をこぼす。
「しょく、しゅ……は……?」
「俺が切った。だから今日は剣を持ってるんだよ」
小さな湯浴み用の個室に抱かれたまま移動し、レグルはなぜか私のお尻の下にバスタオルを敷いた。
掻き出すのならタオルはまだ早いのではと私は尋ねる。
「れぐ、様……?」
「悪魔や夢魔の上等種に犯された場合、生まれるのは人の形をしているから出産ということになるんだ。
でもミシェルは、異端の下等種に孕ませられたからね。
少し息んで、お腹の中にいる触手を産むんだ」
そ、そんな……
レグルに、好きな人に、憧れの男性に、いいように犯されて身篭った私の出産を見られる……?
出産というより排泄に近いらしく、生まれた触手を殺すためにレグルは剣を持っているんだ。