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【鬼滅の刃】 かごのなかのとりは

第2章 絡まった糸は柔らかな手で解けばきっと



「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」

朝の勢いは衰えず、その勢いのまま善逸は訓練を始めた。

重い石を縄で括り、それを木に吊るした物を反対側の縄で引く。

一見原始的な訓練だけど、暫く身体を動かすことの無かった善逸には相当な負担のはずだ。
それに、久しぶりに取り掛かるには随分と重たそうな石をくくりつけている。

だけど、やっぱり急に体が着いて行く筈も無く、なかなか石は上には上がらない。

それなのに、雄たけびを上げながら一心不乱で何度も挑戦している。

やっぱり、善逸は思っていた通り強いんだな。

一方、屋敷を囲む塀の上では、伊之助が奮闘していた。
殆ど足場の無いような所を身体の重心を崩さぬように駆け周っている。

どうやら伊之助も善逸のやる気に触発された様で、今までの分を取り返すかのように動き回っている。

「ポン逸には負けねェ・・・!あいつには絶対負けねェ・・・!」

鼓舞する様にそう声を上げながら伊之助も自身の訓練に没頭している。


善逸はすごいな。俺が毎日誘っても無理だったのに、こうしてまた三人で訓練する切っ掛けを作ってくれて。


・・・俺も頑張らないと。


自分の訓練が疎かになっている事に気付き、俺は軽く佇まいを直した後、全集中の呼吸常中の瞑想に戻る事にした。

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