第3章 君を愛しているかららしい
夜、予告状に書かれた場所で警官に紛れロボットが現れるのを待っていると、予告時間ピッタリに窓ガラスが割れ、何かが中森警部の頭上を通り過ぎ屋内の壁に刺さる。
「現れたな怪盗キッド!」
そう叫んだ中森警部の視線の先には、腕が異様に伸びた怪盗キッドが立っていた。
ハハハ…こんなやつを私にどうしろと……
窓ガラスを割り、壁に刺さったものがロボットの腕だとわかり頭を抱える。
切れ味がよくて伸縮自在で強度抜群で…誰よこんな迷惑なロボット作ったやつ。
「ピピピ…目標まで4.6メートル…」
電子音が鳴ってすぐ、私の近くにある宝石の置かれた台へ向かってきたロボット。
そのロボットが一番近くに来るタイミングに合わせ、手に持っていた発信機を弾いた。
「宝石はもらっていく!」
「追え!向かいのビルだ!」
さすが、といったところか。宝石を一瞬にして盗み、隣のビルへ飛んで行ったロボット。
周囲にいた警官は、偽の怪盗キッドを追って飛び出して行った。
「さーて、発信機は……うん、バッチリ」
弾いた発信機はあのロボットにしっかりくっついたらしく、徐々にビルから離れていく。
隠し停めておいたバイクに跨り、ロボットの後を追った。
バイクをしばらく走らせていると、空が明るくなり始めた頃にある一点の場所で発信機の動きが止まる。
周囲に人の気配どころか街灯も建物もない断崖絶壁に、ポツンと奇妙な建物が建っていた。
少し離れたところでバイクを降り、建物へ近づく。入口らしいドアには、電子工学研究所と書かれていた。
ひとまず、空いている窓がないか建物の周りを確認する。
一ヶ所、2階に空いている窓があり、連れてきたシャノワールの相棒、黒い鳩の足に小型カメラを付け、よろしくね、と放した。
空いていた窓が快斗の監禁されている部屋だったようで、柱に括られた快斗の姿がカメラに映る。
ぐるっと旋回し、部屋に誰もいないことを確認して快斗の前に降り立った鳩。
「へぇ、オメー鳩か?真っ黒なんて珍しいな…っておい、その足に付いてるやつ、カメラか!?」
そーいやぁ、シャノワールにいつもくっついてる黒い鳩がいたな…と呟く快斗。
さすがIQ400!察しが良い〜!
シャノワールの名前に反応し、私の元に帰ってきた鳩をいい子、とひと撫でし、ワイヤー銃を発射し窓から侵入した。
