第7章 寂しい
ーー
「あ、あの…」
断固して僕から逃げ続ける真昼とにらみあっていたら
控えめにドアがノックされて、奥から真珠の心配そうな声が聞こえた。
「なにかありました?」
音を聞き付けてきたらしい。
「ちょっと狂暴な小人と一騎討ちしていただけだ」
「小人ッ?!」
「それより、真昼がタオルを嫌がるんだが」
「タオルですか?」
うーん、とドアの奥から考え込むような声が聞こえ、
「何か虫が付いてたとか……」
ためしにタオルを振って、虫を落とす仕草をしてみても
真昼の表情に張り付いた警戒心は解けない。
持っているタオルを手で擦ってみても、なにもタオルには変わった点はなかった。
「駄目だ」
「うーん、あとなにか……模様とか?」
今まで一人暮らししていた身だ。持っているタオルは無地ばかり。
このタオルは、ずいぶんと前から使っていてすこしごわついているだけで何も問題はないはず………
「待て…」
「え、あ……はい」
ごわついている、タオルか。