第5章 欲しい?
赤司くんが真昼をつれていったあと、
自分は着る服を選んでいた。
男の人って、あまり長い買い物は嫌って言うし……
早めに済ませた方が良さそうだった。
一目で気に入ったものを、値段を少し気にしながら
一つ一つに時間をかけないように買い物を進めた。
「そろそろ、赤司くんたち来る頃ですかね…」
私が買っている姿を見て、また遠慮してるとバレると怒られそうなので
急いでレジに向かおうとすると…
「きゃっ!」
「えっ」
角から出てきた女の子と、ぶつかってしまった。
私も反動で後ろに尻餅をついてしまう
「ったたー、ごめんなさい!大丈夫?」
「い、いえ……私からぶつかってしまったので………」
相手のほうが、先に立ち上がり私に手をさしのべてきた。
あわててその手をとると、女の子はふふ、と微笑んだ。
「お互い、急いでたんだね」
「そう、みたいです………」
相手……桃色の髪のきれいな女の子は、えへへ…と頭をかきながら
「あんまり時間かけると、幼馴染うるさいからさ」と恥ずかしそうに言った。