第3章 行かないで
「で……では、真昼だけ引き取っていただければ…」
という提案をしてみたら、いきなり赤司くんが困った顔をする。
「僕に、子供の世話をしろと?」
「い、いやいや。お似合いだと思います…」
なんたらこうたら、私たちが争っていると、真昼が目を覚ました。
「本当にいいんですって!
多分家に帰ります!((多分……」
「多分じゃないか」
「いいです、帰りますっ」
いくら言っても、この赤司君という人は私を引き留めてくるだろう。
それも、私が話してしまったことの深刻さに、
放っておけないという気持ちが生まれたのだろうか。
私は、助けてほしくてここにきて
赤司くんに話をしたわけじゃない。
「すみません私行きます」
と、ソファーから立ち上がると
ツイ、と服を誰かに掴まれた。