第3章 行かないで
「わからないな」
「わからない?」
赤司くんが、隣に座る真昼を眺めながら訊いた。
そして、眠くてこっくりこっくりしている真昼の頭を撫で始めた
真昼も短い髪の毛がくるくると赤司くんの指に絡まっている。
あまりにもその姿が似合っていて見とれた。
「どうして、そこまで他人の子のことなんて気にする?
子供が息絶えようが、睦月にはなんのメリットもデメリットもないだろう?」
外から見れば、子供を撫でる優しいお兄さんにしか見えませんが
なんて恐ろしいこと言うんですか。
「息絶えようが、生きててほしいからですよ」