第1章 その顔は、ただ俺を煽るだけ。
「一瞬…だよ?写真撮ったらまたすぐ着替えるからね!?」
そう応えるので精一杯で、着替えるためにバタバタと部屋に入って、ドキドキうるさい心を落ち着かせる。
改めて見ると際どい服……
でも、今年のクリスマスは今日しかないし、快斗楽しそうだし…
絆されてる気がしなくもない中、女は度胸!と気合を入れてミニスカサンタに着替える。
え。これ、どういう顔して出ていけばいいの…?
着替え終えたあともしばらく部屋を出れないでいると、ドアが勢いよく開かれた。
「あれ?もう着替えてんじゃん。なかなか来ないから着替え手伝おうと思ったのに」
いきなり開いたドアに驚いて固まっていると、へ〜ぇ。と口角を上げ不敵な笑みを浮かべながら見てくる快斗に、思わずスカートの裾を抑え視線を逸らす。
快斗がゆっくりと近づいてくる気配に体を強ばらせると、片手で腰をグッと抱き寄せられ、もう片方の手で優しく髪を梳かれた。
優しい手に誘われ、視線を快斗に向けると熱が篭った青い瞳が近づき、優しいキスが落とされる。
ゆっくり入ってくる快斗の舌に、小さく唇を開けて応えた。
「はぁ………んっ…」
口内を余すことなく遊ばれるようなキスに苦しくなり唇を離すが、すぐに快斗の唇に強引に塞がれる。
思わず漏れた声に、快斗が小さく笑った気配を感じた。
快斗のキスによって身体が火照り始めたとき、ひんやりとした手が脇腹に触れ、思わずビクッと反応してしまう。
それまで口内で擦り合わさっていた舌が離れたと思った途端、視界が90度反転し、慌てて快斗の首に腕を回した。