第1章 その顔は、ただ俺を煽るだけ。
え、ここ……玄関……?
げ、玄関でなんてこと…!
ドア閉まっててよかった…!
恐らく真っ赤であろう頬をパタパタ手で扇ぎ、快斗のあとを追ってリビングへ入った。
買ってきたケーキを冷蔵庫にしまう背中に、ココアでも飲む?と声をかけると、んーその前に…とソファまで腕を引かれて渡された包み。
「こないだ、お願い聞いてくれるって話しただろ?それ」
…そんな話もありましたね。
すっかり忘れてて、包みを見たまま固まった私に、開けてみて?と促す快斗。
「どっちがいいか、すんげー迷ったんだけど。ベタな感じがいいと思って」
開けちゃいけない気がするのに、楽しそうな快斗の声に促されるまま包みを開けてみる。
「──え」
「ん?」
「えっと…これは……?」
「見ての通り、ミニスカサンタだけど…。あれ?ミニスカトナカイの方が良かった?」
サンタの方が似合うと思ったんだよなー。
そう言いながらサンタのコスプレを私の体にあててくる。
やっぱり開けちゃダメだった…!
これスカート短いんですけど!いや、ミニスカとは言ってたけどさ!
これじゃあパンチラどころか丸出し…って、あ、ワンピースじゃないのね…
とはいえ、着丈短くて腹チラしちゃうよね!?
バンザイしたら確実におへそがこんにちはしますが!
しかも胸元心もとなさすぎない!?
「もう少し布多くて、肌隠してくれるやつあったよね……?」
「んー?普通なの着てもつまんねぇだろ?せっかくなら、思い切った方が思い出に残るしな。それに、」
オメーが着たら絶対かわいいし。と、にっこり首でも傾げられたら何も言えなくなってしまうのは、惚れた弱みってやつだろうか。