第2章 両親へ、
次は夢の話。私にも夢くらいある。行きたい高校もある。でも、行けないしやれない。
以前、貴方がたのどちらかでもした話を覚えているだろうか。私は、昨日のことのように鮮明に覚えている。
私は弱いから。だから言い返せないでいた。無言でいた。だけど、内心悔しかったし、はっきり言って「馬鹿にするな」とも思った。その言葉は、って?
弟が、私の弟が言ったよね。「声優になりたいの!?」って。その時に返した言葉だよ。「あんたにはなれないよ」と。
貴方たちは「私立にだけはいかないで」「○○高以上いけ」とずっと言ってきたよね。わかるとは思うけど、私の行きたい高校はそんなところじゃない。「芸術高等学校声優科」「代々木アニメーション学院」。この二校だ。どちらも当てはまらないから。だからいけない。
はっきりと言おう。「きっとこの人たちは夢なんて応援する気ないんだろうな」そう思った。
だから、「夢なんてない」「行きたい高校なんてない」。そう言っていた。
そういえば、はっきりと言っていなかった私の夢。それは「声優」だ。憧れの声優さんやアニソン歌手さんみたいに、誰かを笑顔にできる。感動させられる。寄り添うことができる。そんな声優だ。だから「ボイストレーニング」「演劇」「軽音楽」がやりたい、といった。
クリスマスとかの曲を聞きに行ったときに話しかけなかったのは少なからず「恥ずかしい」「相手にされなさそう」と思っていたからだ。世間的にはそれをコミュニケーション障害、コミュ障といわれるらしいが。