第9章 君の匂い HQ 日向翔陽
「…嘘でも勉強を教わる理由で来なさいよ」
ボソリと呟くの言葉に日向は益々わからないという顔で首を傾げた
「そうじゃないと、私が日向くんに会う理由がなくなるじゃない」
「…っ!!」
予想外のの発言に握っていた手をブンブンと振りながら思わず声をあげてしまう
「来るっ!勉強を教わりに来るっ!教えて下さい!」
日向の言葉にぎこちなくだけど笑みを溢すと
「静かにしてくれるなら教えてもいいわ」
そう言ってはもう一度笑った
それから数日後、日向は部活の部員と共に体育館へと続く道をゾロゾロと歩いていた
「そうそう、スガさん、この前 ノヤッさんと一緒に図書室に『図書室の君』を覗きに行ったんすよ」
先頭を歩いていた菅原に田中が後ろから声をかけた
「お前ら…暇なの?」
「いやぁ~、噂に違わずのクールビューティーは見ておかないと、なぁ ノヤッさん」
「おうよ!潔子さんばりに綺麗だった」
興奮したように言う西谷に同じ様に菅原の隣を歩いていた澤村は苦笑いを浮かべた
「あっ、でもさ 最近雰囲気が違くね?こう、柔らかくなったというか 大地もそう思うべ?」
「あぁ、確かに前よりは何か表情?が柔らかくなったよな 相変わらず笑顔はないけどなぁ」
菅原の言葉に思い出す様に呟く澤村がピタッと何かに気が付いた様に足を止めた
「?どうかしたんですか?大地さん 何見て…あ」
立ち止まる澤村に怪訝そうな顔をして同じ様に立ち止まる月島の目線の先にはタイミングよく会話にあがっていたの姿があった
手にはゴミ箱を持っているのでゴミ捨ての途中だったのだろう
こちらに気が付かないのかゴミ箱を持って焼却炉に持っていこうとする姿にいち早く反応したのは日向だった