第9章 君の匂い HQ 日向翔陽
懐かれた…そうが思ってしまう程に日向は頻繁に顔を出し始めた
週に2回、当番の日があるからカウンターで本を読んでいるに日向は毎回話し掛ける
最初は先輩だったのがいつのまにか先輩に変わっていた
いちいち突っ込むのも面倒くさかったはしれっと無視していたの態度に肯定と取ったのか嬉しそうに先輩 先輩と懐いてくる
「…日向くん、そろそろ部活なんじゃないの?」
「あっ!ヤベっ…それじゃあ先輩またねっ!」
言いながら慌てて走っていく姿に
「図書室の扉は静かに閉めてって言ったのに…」
少しだけ勢いがよすぎて開いてしまった扉をゆっくりと閉めると一息ついた
日向はに勉強を教えて貰いたいみたいでが当番の日にひょっこり現れる
現れて開口一番に「勉強教えて下さい!」から始まる
「駄目」とが断れば「また駄目かぁ」と言いながら部活が始まるギリギリまで自分の事を話して慌てて出ていくのがお約束になっていた
日向の話を聞いていてわかったのはバレー部であること烏野のバレーに憧れてここに入学したとか、練習はキツイが仲間との練習は楽しいとキラキラしながら話していた
聞いてないようでちゃんと聞いてるとわかるかのような相槌を打つと日向は更に嬉しそうに話した
には分からなかった こんなに素っ気ない自分の態度にめげずに図書室に通う日向の考えが
正直戸惑っていた 元々は人付き合いというのが苦手でコミュニケーションをどうとればいいかわからなくてクラスでも本が手離せなく教室でも読んでいた
その様子をクラスメイトが遠巻きに見ているものだからてっきり関わりたくない人種にでもなるのだろう
そう自分でも思っていたから日向のまっすぐな態度にどう接すればいいのか、どんな顔をしていいのか分からなくてついついあしらい方が冷たくなってしまう
「…その内、来なくなるでしょう」
そうポツリと呟いては読み掛けの本に視線を落とした