第1章 不機嫌の裏側〜爆豪勝己〜
それから私達は色んな話をした
勝己が雄英高校に通ってること
「えっ!めっちゃエリートじゃんっ!頭良かったの!?」
「ば〜かっ!ここが違ぇんだよここがっ」
頭を指して鼻でふんっとする様子に額にデコピンかましてみたり
「将来はヒーローになるの?」
「ったりめぇだ!!助けたおしたるっ!」
「え〜そんな怖い顔のヒーロー嫌だ」
「は?ふざけんなっ!怖くねーわっ!」
「無自覚って恐ろしい」
ワザと泣くような振りをして涙を拭う
「あっ、そろそろ戻らないと」
はたと店内の時計を見て慌てて立ち上がる
「まだバイトすんのかよ」
「あぁ、でも7時までだから後1時間半くらいだし、勝己はゆっくりと飲んで帰って?」
自分の分のコーヒーカップを持つとそれじゃあと言って戻ろうとするの手を爆豪は思わず掴んだ
「へ?何?あぁ、コーヒーのおか・・・「終わるまで待っててやる」
予想外の言葉に動きが止まる
「いや、でも帰りが遅くなっちゃうからね?」
「7時なんて遅くねぇ」
「いや、でも高校生にとっては遅いし、親御さんも心配するから・・・」
「こういう時だけ子ども扱いすんじゃねーよ!」
ガタッっと勢いよく立ち上がると乱暴に鞄を取って店を出ようとする
「あっ・・・!あの、勝己っ」
思わず声をかけると一瞬こちらを振り向いたが、その顔がとても悲しそうでなにも言わず出て行く姿にはそれ以上言葉をかけられずに後ろ姿を見つめた