第1章 不機嫌の裏側〜爆豪勝己〜
「はい、爆豪君お待たせ」
そう言いながら、かちゃりとトレーを机へと置いたならば「ここ、座ってもいい?」と言いながらも答えを聞かずに正面に座った
「おい、いいって言ってねぇ、つーか店内で休憩していいのかよ」
正面に座られてピクリと眉根を寄せたが、特に嫌がらない様子にこそっと小さな声で手を合わせた
「う〜ん、本当はあんまりよろしくないんだけど、ちょっとだけ避難させて?嫌だったらすぐに席外すから」
「なんかあったんか?」
爆豪はの様子に同じように小声で話しながらコーヒーに手を伸ばす
「あったっていうか・・・大学の先輩なんだけど最近やたらと誘ってくるんだよねぇ」
付き合いがあるからそうそう無下に出来ないし・・・・とブツブツ言いながら自分のコーヒーに口をつけるの様子をじーっと見ている先輩であろう男と爆豪は目が合った
「別に、休憩終わるまで付き合ってやるよ」
そう言いながら爆豪は目が合った男をギロッと睨み付けるとバッと目を逸らされた
「なぁ、アンタここでバイトして長いんか?」
「えっ?えーと、まだ半年なんだけど 最近表が多いかなぁ?前は中でフードばっかりだった」
そうそう、このマフィンも作ってたんだようと笑いながら指差す
が働いているのでコーヒーショップはフードにも力を入れている。
店内完全手作りがウリの店だ
「だから最近見かけたんか」
ボソリと呟かれた言葉には良く聞き取れなかったようで
「今何か言った?」と首を傾げた
「別に・・・ここのコーヒー美味いな」
「でしょっ!私も初めて飲んだ時に衝撃を受けてバイト受かった時は嬉しかったぁ」
ガタッと勢いよく立ち上がると目を輝かせるように語り出す様子に爆豪は思わず吹き出した
「はっ!どんだけ好きなんだっつーの」
笑った顔には一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに嬉しそうな顔をして座りなおすと爆豪の眉間を突いた
「ふふ・・・爆豪君、笑った方がいいよ」
「うるせー、それと勝己だ勝己。クソが」
「クソがって・・・・勝己?あぁ、もしかして名前で呼べって?」
突いてる手を外されてふいっと逸らされた顔はほんのり赤い
その様子には知り合ったのはひょんなことでとても短いけど
何だろう、すごく可愛いと思ってしまった