第8章 りんご飴〜爆豪勝己〜
目の前にあるリンゴ飴を恐る恐る受け取るとは飴と勝己を交互に見た
「え?あれ?私、欲しいなんて話したっけ?」
「あ"?なんかその丸いフォルムがお前に似てんなって思って買っただけだよ」
リンゴ飴はにとって思い出の味であって幸せの味だ
それを何も知らないで買って来た勝己にきゅうっと胸が締め付けられた
「…へへっ…嬉しい」
「そーかよ てかそんなに好きだったんか?」
「ううん、私の事考えて買ってきてくれた勝己くんが好き」
「おまっ…!いきなり何言って…おいっ!包み開けんなっ!デザートだって言ったろ!」
ガサガサと包みを開けてパクっとリンゴ飴にかぶり付くに止めようとした勝己だがの方が一歩早かった様で諦めた
「ふふふ…あまーい」
「そりゃ良かったな…」
にこにことリンゴ飴を齧る姿を僅かに笑みを向けて見つめる勝己の姿に気が付いたは「食べる?甘いよ?」と言って勝己にリンゴ飴を差し出した
一瞬 リンゴ飴を見つめていた勝己は「いる」と言って珍しく素直に頷いた
「じゃあ はいっ」
そう言ってが更に勝己に向かって差し出すと その手をグイっと引っ張ってペロっとの唇を舐めた
「!?!?!?」
「甘ぇ…」
まさかの出来事には声にならない程に口をパクパクしてそれと同時に顔を赤くした
「な…舐めたっ」
「あ"?やるって言ったのはの方だろ?」
「普通、コッチの方でしょうがっ…!それなのにこんな…こんな…」
口許を抑えてワナワナと真っ赤になって震えるに勝己はしれっと答えた
「…俺にはそっちの赤の方が美味そうに見えたんだよ」
言いながらじっと見つめてくる勝己に耐えられなくては思わず目を逸らした
「顔真っ赤、リンゴ飴みてー」
「それは勝己くんの所為であって…」
ごにょごにょと答えるの手を勝己はリンゴ飴と共にぎゅっと握った
「そんな顔するから俺には美味そうに見えたんだよ」
そう言いながら近付いてくる勝己の顔に訪れる甘い予感を感じて目を閉じた