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手を伸ばして ヒロアカ ハイキュー

第8章 りんご飴〜爆豪勝己〜




ドスの聞いた声が頭上から降ってくる

見なくても分かる こんな物騒な事を言うのは知ってる限り1人しかいない

「はぁ?いきなり何なんだよアンタ」

「2度も言わすなやクソが、散れよクソモブがっ!」

バチバチと手のひらから出す火花にヒュっと素早く手を引っ込めて「み…見つかって良かったね〜」と言いながら慌てて逃げる彼等にチッとあからさまに舌打ちをしているであろう彼の顔を何故か怖くて見られないがいた

「…なんでこっち見ねぇんだよ」

「さ…さぁ何ででしょう」

明らかに不機嫌そうな声の勝己に目線を合わせられるほど度胸はなかった

だって手を離してはぐれてしまったのは自分のせいだ

あそこで立ち止まらなかったらこんな事態にはなっていなかった

「背筋が冷たくなった」

ボソリと聞こえた声に思わず振り向くと悲しそうに揺れる瞳と目が合った

いつもは怒鳴るように小言を言われるのだけども

たまに気弱な発言を見せる

それはきっといつも見せる自信のある態度とは想像出来ない勝己の姿

でもそれは気を許せる相手だからこそ見せる彼のまた1面なんだと分かってきた

「後ろを見たらがいねぇし 携帯は電源入ってねーし」

「あ、勝己くんといる時は電源切ってるの それに携帯忘れてるのさっき気が付いて…」

向き合いながらモゴモゴと話すに勝己は大きな溜め息をついた

「慌てて戻ったらクソモブに絡まれてるし、あんなん張っ倒せや!」

「いや!無理だから!そもそも善意で声を掛けてくれたかもしれないじゃない?」

「あれが善意に見えたんなら視力検査でもしろっ」

確かにあれが厚意に見えたのなら人が良いにも程がある 勝己の言葉に うっ!と声を詰まらせた

「…俺も歩くの早かった…」

「えっ?」

きょとんとした顔で見てくるにバツが悪そうに小さく呟いた

「っ…!そもそも裾なんか掴んでるからこうなんだよっ!オラっ」

言いながらの手を取って握る

「…こうすれば もう離さねぇ」

ぎゅっと力を込める手に恥ずかしいようなでも温かいような気持ちがの中を満たしていくのを感じて思わず微笑んでいた

「…うん、離さないで」







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