第6章 小さなお返し〜爆豪勝己編〜ホワイトデー編
みんなでお菓子を綺麗に平らげた後はそれぞれ自分の部屋で過ごしていた
もまた自分の部屋で最近ずっとハマっている小説をゴロゴロと読んでいた
「喉乾いたなぁ・・・・」
ふと壁に掛かっている時計を見ると時間はもう10時を過ぎていた
「ありゃ、もうこんな時間なんだ」
小説というのは夢中で読むとどうしてこうも時間が経つのが早いんだろうか
「キリがいいところまでにしようかなぁ」
後何ページくらいで区切りがつきそうな展開に、一度喉でも潤して来ようと一度本を閉じると部屋を出て共同のキッチンへと足を向ける
ふと視線を向けるとキッチンには先客がいた
「あ、爆豪くん」
「・・・・おぅ」
キッチンには今日一日会いたいなと思っていた人物だった 結局顔を見ることは叶わなくて諦めていた矢先の姿に思わず声が上擦ってしまった
「い・・いつ帰ってきたの・・・?今日は全然会わなかったね」
「あぁ、さっき帰って来たんだよ、お前は?」
「あ・・・私はさっきまで本を読んでたんだけど、喉が渇いちゃって」
「・・・・ふ〜ん」
さほど興味なさそうな態度でふいっと顔をそらす様子に「ってなわけでお水飲みに来たの」
言いながら近付いてくるに爆豪はボソリと何かを呟いた
「ーーーーーってろ」
「え?何て?」
小さく呟かれた言葉を聞き取れなく、聞き返すに爆豪はぶっきらぼうに声をあげた
「だからっ!俺が持ってきてやるからそこ座ってろ!キッチンに2人いたら邪魔なんだよ!」
いい捨てるように言う爆豪に「じゃあ、お願いしま・・・す」とすごすごと大人しく共有スペースのソファへと座った
そもそもキッチンは2人いるだけで狭かっただろうかと今更ながら考えるが、それを爆豪に問うのは気が引けた