第6章 小さなお返し〜爆豪勝己編〜ホワイトデー編
「でもこんなにたくさんあったらお腹いっぱいになりそうやぁ」
言いながら隣に座っていたお茶子ちゃんが自分のお腹をポンポンと叩く
その様子にクスクスと笑いながら百ちゃんが淹れてくれた紅茶を飲む
「あれ?そういえば かっちゃんは珍しく寝坊かな?」
キョロキョロとデクくんが見回すけどその姿はどこにもなかった、いつもは規則正しく起きているのに珍しいなというデクに
切島は思い出したようにデクに言葉を返した
「爆豪ならもう出掛けてるぜ?俺、見たもん」
言いながら「これは俺から〜」と言いながらクラスメイトの女の子達に飴を配り歩いてるのは切島くんらしい
その言葉には少なからずしゅんと肩を落とした
それというものはバレンタインに紛れて少しだけ他の人と違うチョコを爆豪には渡していた
よく怒るし怖いけどたまに見せるぶっきらぼうな優しさがにとっては嬉しかった
いつしかその気持ちが恋心に変わるのは時間の問題だったわけで、かと言って告白する勇気なんて持ち合わせていない
だから少しでも自分の気持ちを込めたくてラッピングは他の男子と同じようにして、中身をちょこっと変えた
別に気持ちを伝えるためにあげたわけじゃない、ただ彼の嬉しそうな顔が見たかっただけだ
まぁ、渡した時はぶっきらぼうに受け取ってくれただけで表情なんてわからなかったのだけど
だから爆豪からお返しなんてもらおう何て更々の中ではなくて ただ、ほんの少しでも彼の顔を見れたらなと思っていたから
出掛けていると聞いて少しガッカリとした
「爆豪ちゃんなんか放っておいて私達はこのお菓子を食べましょう」
そっと取り分けられたケーキの皿を差し出しながら梅雨ちゃんがにっこりと笑うものだから
「うんっ!それもそうだね」
残念な気持ちを吹き飛ばすかのように笑みを見せて梅雨ちゃんからお皿を受け取ると美味しそうなケーキを一口、口に入れた
その後もワイワイと女の子みんなでお返しのお菓子を食べて過ごした