第4章 想いの数だけ〜緑谷出久〜Valentine編
「えっ・・でも食べるの勿体無いなぁこれ」
眼前に並んだチョコレートを眺めながら出久は困惑した顔をした
せっかく恋人が自分の事を考えて選んでくれたものを一瞬で食べてしまうのは勿体無い
出来る事なら保存して部屋にずっと飾っておきたい
でもそんな事言ったらきっとは悲しい顔をするし、せっかく選んでくれたのに申し訳ない
じっとチョコレートを見つめながらふとある事を思いついた
「さん、これは家でじっくりと一個ずつ大事に食べるよ」
「えっ!?今食べてくれないの?」
ガーンとショックを受けた様な顔をしながら聞いてくるに出久は苦笑を漏らした
「だってこんなに沢山さんの想いが詰まっているものを一気に食べちゃったら勿体無いじゃないか」
「そ・・・それはそうなんだけど・・・」
すぐに食べてくれなかった事に僅かに残念そうな顔をしながら出久の言葉に納得した
「・・・うん、だから」
言いながら出久はの手を取ってにっこりと笑った
釣られてにこっとぎこちなく笑ったの手首には茶色いリボンが結ばれていた
「ほら、こうすればさんを食べれる」