第4章 想いの数だけ〜緑谷出久〜Valentine編
「・・・・んん?」
聞き間違いだろうか、あのいつも笑顔でたまにするスキンシップにも赤くなって照れる出久くんの口から衝撃発言!
「さんリボンしてるから食べていいよね?」
言いながらずずいと顔を近づけてくる出久くんの顔を慌てて押しのけた
「うわぁぁっ!出久くんストップストップ!」
「え?何で?さんリボンしてるし僕にプレゼントでしょ?」
キョトンとしながら見てくる姿に、一瞬可愛いじゃないかと思いながらも慌ててそんな考えを吹き飛ばす
「いやいやっ!違うよ?っていうかいつの間にリボン!?」
いつの間にか手首に巻かれているリボンはオールマイトのチョコレートが入った箱に巻かれていたリボンだ
というかいつの間に箱から取ったのだろうか
いやっ、そんな事はどうでもいい!
「だってチョコレートは家で食べるから」
「理由になってないよっ!」
まさかの出来事に頭が混乱する
「さんが僕の為を想ってくれたのがとっても嬉しい」
「だったらチョコレート食べよう?ね?」
さらにじりじりと寄ってくる出久に内心バクバクなは顔を赤くしながら興味をチョコレートに向けようと必死に指差した
その手を取って出久はにっこりと笑うと手の平に唇を落とした
「ほら、甘いよ?」
にっと笑う姿はいつもの心が和む笑顔ではなくて心臓が爆発しそうな笑顔だ
「ねぇ、チョコレートも家で大事に大事に食べるから」
言いながらスルリと手を絡ませてギュッと握りねだる様にを見た
「今日はこっちがいいな」
ボソっとの耳元で呟かれれば顔から火が出そうなくらい赤く染まった
「・・・・・ちゃんと美味しく食べてよ?」
「どっちを?さんを?チョコレートを?」
クスクスと笑う出久に観念したかの様に首に手を回すと、お返しとばかりに出久の耳元で呟いた
「聞かないで・・・」
その言葉に出久は嬉しそうにぎゅーっとを抱きしめた
今日はチョコレートよりも甘い甘い時間を過ごせそうだ