第4章 想いの数だけ〜緑谷出久〜Valentine編
「わぁっ!!さんこれっっ!これっ!」
「い・・・出久くん落ち着いて、ね?」
興奮気味に急に立ち上がる年下の恋人、緑谷出久にはどうどうというように座るように促した
目の前には数々のポーズをしたオールマイトのチョコレートが置かれている
今日は付き合いだして初めてのバレンタインだから少し張り切ってネットで沢山の限定オールマイトチョコレートを頼んだ
バレンタインは手作りが1番でしょ!なんて言う可愛い女の子もいるだろうけど
どんなに頑張っても料理は壊滅的なのだ
私の作ったチョコレートで出久くんが倒れたら大変!
そう思うとどうしても手作りなんてあげられるわけもなく
それを埋めるように出久くんが目標にしているオールマイトの限定チョコを沢山用意した
「うわうわっ!ゴールデンエイジの時はわかるけどヤングエイジの時のコスチュームのチョコもある」
キラキラと箱を机に並べながら今にも飛び上がって喜びそうな様子にクスクスと笑う
「良かったぁ、出久くんが喜んでくれて」
「もちろんだよ!チョコレートなんて貰えないって思ってたし、オールマイトだしっっ!」
記念にとパシャパシャと写真を撮りながら興奮気味に言う出久に買って良かったと胸を撫で下ろす
「こんなに沢山、探すの大変だったんじゃない?」
「ううん、むしろ出久くんが喜んでる姿想像したら逆に楽しかったよ」
実際、ネットであれでもないこれでもないと探す時間は、出久が喜んでくれる顔を想像するだけで楽しかった
「僕、こんなに沢山さんから貰えるなんて思ってなかったから嬉しくて鼻血出そう・・・」
「うわわわわっ!食べてもないのにそれは駄目だよっ!」
そこまで感動してくれるのは嬉しいが気恥ずかしい
「さぁっ!ガブリと食べちゃって」
恥ずかしさを隠す様にどうぞどうぞとチョコレートを勧めた