第3章 嘘ときどき本気〜轟焦凍〜お正月編
「もうっ!わかってるくせに言わせないで!」
恥ずかしさを隠そうと目の前のテレビを観ながらゴクゴクとコーヒーを飲む姿に同じようにテレビに顔を向ける
画面では年が明けるカウントダウンが始まっていた
「「3、2、1明けましておめでとうございます!」」
年が明けると同時にお互い深々と頭を下げた。
「今年もよろしく、さん」
「もちろん、こちらこそだよ」
お互いに顔を見て笑ってこのままゆったりした時間を過ごすんだなぁとしみじみしていたらいきなり彼の口から爆弾が落とされた
「なぁ、姫はじめってなんだ?」
笑顔が固まるってこういう事をいうのかもしれない
「今・・・何て?」
「え?だから姫は・・・・「わーわーわーっ!もう分かったから!」
慌てて自分の手で焦凍くんの口をふさぐ
「ど・・・どこでそんなの聞いたの?」
「どこって・・・学校で?この間、終業式終わって教室で年末はどうするかって話になったんだよ、その時に俺は彼女と過ごすっつったら・・・」
「・・・・・・・。」
つまり話の流れはこういことだった。
終業式が終わった放課後、何人かの友人と冬休みの予定を話していたそうだ
その際に一緒に話しに参加していた友人が大晦日はどうするのかと聞いてきたそうだ
「なぁ、轟はどうするんだ?家で蕎麦でも食って過ごすのか?もしそれなら俺ら初詣に行くんだけど一緒に行かねぇか?」
「おいっクソ髪ぃっ!何勝手に誘ってんだ!コイツ行くなら俺は行かねーぞ!」
赤い髪の少年、切島の言葉を遮って吠えるようにツンツン頭の爆豪が叫んだ
「あ〜・・・悪ぃ、大晦日は彼女と過ごすから」
「えっ!?何?轟、彼女いたの!?初耳なんだけどっ」
「言ってなかったし」
ずいっと食い気味に反応したのはいつも明るい上鳴で「うぇ〜幾つ幾つ?同い年?同じ学校?んなわけないか〜」と1人で突っ込んでいた
「あ・・・・でも何か轟君は年が上の人って感じがするよ」
そう言ってにこっと笑ったのは緑頭の緑谷だった
「ん、確か4つくらい上だった」
思い出して指を降りながら数える様子に1人、一際小さい紫頭の峰田が何故かわなわなと震えていた
「大晦日、年越し、年上、2人でこんな・・・こんなシチュエーション!轟ぃっ!お前狙ってるだろっ!」