第3章 嘘ときどき本気〜轟焦凍〜お正月編
「「ごちそうさまでした」」
同時に手を合わせて合唱をしたら、今まで食べていたお蕎麦の食器を片付ける
「俺もする」
「う〜ん、じゃあ焦凍くんはコーヒーを入れてくれる?洗い物済ませてくるから」
「わかった」
シンクに食器を置いて洗い出すの側でドリップコーヒーにお湯を注ぐ年下の恋人、轟焦凍の姿に笑みをこぼした
付き合って初めての2人きりの年越しだから、こう人の多い場所とかに行ってわいわい年を越したいのかと思っていた
今時の子達は色んな人たちと一体感になってイェーイみたいなものがいいのかと勝手に思っていたものだから
焦凍くんにも同じような事を聞いたら
「俺はさんと家でゆっくりしたい」
などと言ってくれるから可愛いじゃないかっ!と思いながら「じゃあお家で年越し蕎麦食べよう!」と張り切って答えた
「じゃあ俺、これ、リビングに持っていくな。さんも早く来て」
ふわっとコーヒーの香りが鼻を掠めながら最後の食器を洗いながら「もう終わるから〜」と軽く答える
こんなゆったりした年越しも案外悪くないなとは思う
何より大好きな人と2人で年越しなんて来年は良いことありそう!とあと数分間の年越しにほくそ笑む
いそいそと手についた水滴をタオルで拭いてストンと焦凍くんの隣に座る
正面のテレビにはゆく年来る年が流れていて、除夜の鐘が画面から流れている
は焦凍の入れてくれたコーヒーを飲みながら同じように隣でコーヒーを飲んでいる焦凍に聞いてみた
「焦凍くんにとって今年はいい年だった?」
「あぁ、こうやってさんに出会って恋をして、今2人でいれてるからいい年だった」
そんなにストレートに言われるとは思わなかったからはボッと顔が赤くなった
「へ・・・へぇ、それは・・うん、良かった」
「ははっ!さんが聞いてきたのに顔赤い」
笑いながら赤くなった頬を突かれるとますます赤くなる
「さんは?いい年だった?」
そう聞いてくるくせに、答えはわかってますって言う顔は狡いと思う
「当たり前じゃない、その・・・焦凍くんに会えたし・・・」
もごもごと言うに焦凍は嬉しそうに目を細めた