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貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第5章 書庫での出来事



仕事に向かった?消えた?
佐助くんを見送る?と
書物の本棚に目をやる


うーん…

何がどこにあるか全く分からない

こんな時、家康がいてくれたら…

私でもわかるような書物選んでくれるんだけど…


うーん…どうしよう


何冊かとってはパラパラめくる


ダメだ!!
全く分からない!!
なんのジャンルなのかさえ分からない!!!


本棚を前に難しい顔して途方に暮れる


「やぁ、姫。どうしたんだ?そんな難しい顔して?」

「信玄様…」

掛けられた声に振り返ると、いつの間にいたのか、柱にもたれ微笑む信玄様の姿があった


「何か探し物かな?」

「あ、あの…漢方の本を…」

「あぁそうか。早速勉強か。それで?何をそんなに困ってるんだ?」

「実は…お恥ずかしい話ですが、私…字が所々しか読めなくて…」

「…?医学の勉強をしていたんじゃないのか?」

「そうなんですけど…」

字が読め無いのに勉強ってそりゃ怪しいよね

口籠る私を見て、信玄様が怪訝な顔をする

「まぁ、秘密の一つや二つみんな持っているさ。
それをまた探るのも一興。」

ふっ、と笑みを浮かべた信玄様が私の方へ近づいてくる。

「それにしても、安土にいた時はどうしてたんだ?」


「あの…家康様が…私でもわかるような、絵の書いた本を選んでくれたり、後は言葉で説明してもらっていました。」

「あの…家康が?」

「はい…」

意外そうな顔した信玄様がさらに私に一歩近づく。

全てを見透かされそうな瞳に、目が合わせられない

「そうか。では俺が家康の代わりに選んであげよう」

そう言って信玄様が私の背後にある本棚に手を伸ばした

後ずさりするけれど背中に本棚が当たり、信玄様と本棚に挟まるような形になる

すぐ目の前には信玄様の胸板
信玄様のお香の匂いが私を包む…


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